ゴリアテ・タイガー
![](https://www.nomura-v.com/wp-content/uploads/2010/07/20100717-1-s.jpg)
これは“ナイル河の牙”と形容される猛魚、
ゴリアテ・タイガーの子供です。
この種は分類的にはカラコロイドの一族ですが
最大級の大きさと猛スピードが出る遊泳力、
そして魚のそれとは思えない巨大な牙が
カラシンらしからぬ大迫力を醸し出します。
普通の川魚にしか見えない写真のみで成体の威容を
想像しろという方が無理というものでしょうけれど
このチビ助もやがてとてつもない怪物に化けます。
水槽の中では70センチメートルほどで
成長が止まると言われているものの
それでもすごい存在感の個体になるはずです。
シルバーメタリックに輝くボディ、
赤くて大きな尾びれがとても美しいですね。
もっともそんな普通の熱帯魚みたいなことは
本当はどうでもいいんです。
皆さんに見ていただきたいのは
口吻の周囲だけ銀色が抜けて
ソリッドになっているあたりです。
これはぶつけて怪我をしているわけではなく
初めからこういうものなんです。
人喰いモンスターの口の周囲が
牙むき出しの下顎骨のみ、みたいな雰囲気で
すごく異様ですね。
よく見るとまだ小さいものの
鋭い歯がはみ出ています。
この類稀なカッコよさが解るマニアックな人類が
私の非常に広い交友範囲の中でも数人しか存在しない
という事実はかなりさみしいことではあるものの、
実は自分たちの突出した知識段階の先鋭度に対して
優越感を感じたりしてしまうわけです。