野村潤一郎 オフィシャルブログ

復活の兆しあり!

 昨年秋から今に至るまでの

連日連夜の大手術責めはとてつもなかった。

難しいオペばっかりでこっちが死ぬかと思った。

八時間の激闘で四キロも体重が減った時は

さすがに生命の危険を感じた。

だけれどもうれしい。

本当にうれしい。

頼ってくれる人たちがいるということは

私が強い証拠だから。

 

おかげで私の肉体はぶっ壊れまくり。

クルマで例えるならエンジンから火の手が上がり

ミッションがバラバラに砕け散るようなありさま。

 

実はこの四年間、あちこちが故障して、

毎年、全身麻酔で手術を受けている。

誰も気が付かないのは

さっさと退院して仕事に戻り、

血まみれの包帯の上に白衣を着て

いつもスカした笑顔で仕事をしているから。

今年もそろそろ大修理が必要かもしれない。

 

それでもリタイヤなんかできるわけがない。

我が生業は命がけの戦争なのだ。

 

動物たちの命を助けるまで

なんとか持ちこたえてくれ我が命と身体、

と願いながら力を振り絞って闘い続ける。

 

そんなスレスレの苦戦を強いられているのに

開業以来、四半世紀もの長きにわたり

休日無し、飲酒無し、子作り無し、一日一食。

しかも支払う税金が利益の40パーセント。

権兵衛がタネ撒きゃカラスがつっつく。

 

一部の馬鹿な人は私をセレブと勘違いしているが

実際のところこれではセレブと言うより

“スレイブ”である。

 

お金は全部設備投資にまわすから

老後の貯金なんか無い。

子どもいないから遺産残してもしょうがないし

そもそも私は老いない。

 

嘆いたところで誰も助けてくれない。

なぜならば私が助ける側の人だからだ。

そもそも私は嘆かない。

 

痛みも辛さも疲れも悲しみも

全て栄養にしてもっともっと強くなる。

白いスーツで胸を張り

スーパーカーを駆り、

常に颯爽としているのが私流。

ちょっと憎まれているくらいがちょうどいい。

そんな自分がたまらなく好きだ。

大好きだ!

 

私は浮世離れしたおとぎの世界の人。

勧善懲悪の正義の味方。

多くの人がそう思っているみたいだし

実際にみんなを助ける様々な力を持っている。

しかも頭が良くて顔も良く、

力自慢でのど自慢。

そしてオモシロカッコイイ。

大好きだ!

 

というわけで昨日も

一般診察の後、フェレットの腫瘍摘出をした。

もちろん成功。

手術件数五万件は伊達じゃない。

 

その後は病院のエントランスの

人工池の掃除を始める。

水を全て抜いてこすり洗い。

タイル一枚につき五百回くらいこする。

こすってこすってこすりまくる。

汚れが落ちる。

心の汚れも落ちる。

筋肉が悲鳴をあげても休まない、

絶対に絶対に休まない。

汚れが完全に無くなるまで。

 

突然急患のオペが入ったので

手術着に着替えて再び三時間ほど頑張る。

 

オペが成功したので

やりかけた池掃除に戻る。

疲れたなんて言わない。

これは私の闘いなんだ。

 

こする。

こする。

こすってこすってこすりまくる。

筋肉だけでなく

骨格まできしみはじめる。

でもそんな肉体の甘えなんかを

許す私の精神ではない。

もっともっと強くこする。

 

パンツ一丁で汗だくになりながら

池底を掃除する私の姿は

外から丸見えだがそんなこと別にかまわない。

 

掃除という行為はみっともないことではない。

日々の戦闘で鍛えられた私の身体だって

みっともないどころか逞しくてカッコイイ。

誰に見られてもかまわない。

いや、むしろ見てほしい。

穴の開くほどに。

大好きだ-!

 

で、先ほどやりとげてキレイキレイになった

エントランスがこちら。

the blood of v-center b

ガラスも磨いた。

ロビーフロアも磨いた。

スロープも磨いた。

ピカピカだ。

 

艱難辛苦を乗り越えて

やり遂げた感を満喫する。

この快感はすさまじい。

 

苦痛の後の勝利感を

もっともっと味わいたくなった。

病院のエレベーターの床も磨くことにした。

 

かわいい動物たちの乗るエレベーター、

キレイならキレイなほどいい。

 

再び床をこする。

こする。

こする。

こする。

筋肉も骨格も限界だと言っている。

例によってそんな甘えを聞くような

私の精神ではない。

こする。

こする。

こする。

そしてキレイになったエレベーターがこちら。

city beast b

ピッカピカだあ!

なんかハダカみたいなかっこうをした

黒っぽいケダモノがたまたま鏡に写りこんでいるが

気にしないでいただきたい。

 

で、ここまできて皆さんがなんか変だなと

感じているであろう歯に物が挟まった感について。

それはおそらくタイトルの“復活の兆しあり”だと思う。

 

一昨日の夕方から昨日にかけて

疲労困憊の私が高熱を出してぶっ倒れ、

息も絶え絶えになったことについて

書こうと思っていたのだが

実は体内に存在するであろうと思われる

バイキンどもを煮っ転がしにしてやるつもりで

身体中の血液を燃えたぎる闘志の炎で

沸騰させすぎただけの話であり、

つまらないなと思ったのでやめた。

すでに復活しちゃってるし。

 

というわけで

今日も夜が明け始めた。

がんばって働こう!

動物たちが大好きだー!