犬の乳腺腫瘍 (其の弐)

十二月十八日に掲載しました乳腺腫瘍に於いて
最も有効な治療手術である“全乳腺摘出術”は
件の如く転移が著しい場合に選択する術式です。

通常、早期発見された同疾患につきましては
このように“部分的摘出”を行うのが普通です。

この部分のお乳は皮膚が薄く、
しかも腫れやすいので
あえていつもの“傷が背見えない仕上げ”は
していません。

きっちりと縫合すれば
抜糸後に傷はほとんど確認できなくなります。

…って、
また仕事の記事を掲載してしまいました。

何だかこの一連の流れで
「ランボルギーニが~」とか「オオトカゲが~」とか
言いにくくなってしまいましたねえ…。

犬の手の腫瘍

老犬の“手にできた腫瘍”です。
この状態で初めて御来院しました。

飼い主さんは
“腕を切断しないで治せる獣医”を
探し回っていたらしいのですが
最後の最後に私の病院に到着です…。

★写真説明

写真①
実にひどい状態です。
普通は腕の切断になると思います。
周囲の組織を全て巻き込んだ
腫瘍の末期です。

写真②
靭帯や神経や血管を
剥がしたり、切ったり、繋いだり、して
全ての腫瘍を取り除き手を作り直しました。

手の甲の一部は
お得意の“傷が見えない仕上げ”をしていません。

また、その場所の皮膚を縫うナイロン糸が
太くて間隔が開いているのはわざとです。

そこは常にテンションがかかる場所であり、
豊富な血液循環の確保が必要だからです。

で、抜糸後の予後ですが…

キレイに完治しました。
毛が生えて傷口も見えなくなり、
今はもう普通の手です。

よかったですね!

飼い主さんは
野村獣医科Vセンターを
普段のかかりつけにしてくださると
約束してくださいました。

次の混合ワクチンとフィラリア予防、
是非、私の病院でやってくださいね!
お待ちいたしております。

猫の腸閉塞

数日前から何も食べず
絶え間なく吐き続けている、
ということでした。

お腹を触ってみると
胃と腸に異常なふくらみが!

いつものように
“ガラス張りの手術室”で
“飼い主さん立会い”のもとに開腹オペです。

胃と腸に詰まっていたのは
長いゴムヒモや布の切れ端でした。

ちなみにこういったマテリアルは
エックス線を透過してしまうため
レントゲンの単純撮影では何も写りませんので
経験に基づいた注意深い診察がキモになります。

犬に比べるとネコは疑い深い性格なので
ほとんど誤食をしない動物ですが
まれに異趣(非食物を飲み込む癖)
の個体が生まれます。

この悪癖は数代にわたり続くことが
確認できていますので、
根底に遺伝的な問題が存在する様子です。

またこういった猫は
同じことを繰り返す傾向がありますので
生活する上で飼い主さんは
細やかな注意が必要ですね。

★写真説明

例によってマニアックな
“傷が見えない仕上げ”です。

体内に使用した糸は溶けてなくなります。
包帯もバンソウコウも
うっとうしいエリザベスカラーも一切不用です。
短期間の入院後、帰宅できます。

スピード解決できて
本当によかったですね!

これからは
大ごとの病気の時だけでなく
普段から予防注射などで
御来院してくださいね!