大晦日の地下一階温室

年末年始なんか私には無用です。
いつものように仕事をしながら過ごします。
休日なんかありませんし、要りません。

商売柄、酒気帯びになるといけませんから
お酒は二十年間、一滴も飲んでいません。
プロフェッショナルの臨床獣医として
当然のたしなみです。

食事も一日一食、五分で済ませます。
生きるために必要な最低限の栄養を
短時間で摂取するだけです。

温泉旅行なんかにも行ったことがありませんね。
仕事で外国に行っても日帰りなんですよ。

私の人生は常に時間に追われ、
生活態度もストイックですから
かなり過酷な部類に属すると思います。

でもそれは自分が望んだことですから
文句は一切ありません。

そもそも勤労は等価交換が原則です。
それに付加される感謝の気持ちから
日々の糧が得られます。

つまり、職人たるもの
“誰かに必要とされ生かされている”
そんな状態が正常なのだと信じます。
よって常に「額に汗を、心に花を」の精神を
心がけるべきなのです。

確かに毎日が激務の連続だけれども、
実はこれでもかなり幸せなんです。

たとえこの身がメチャメチャになっても
皆さんの喜ぶ顔が見たい。
やっぱりちょっとバカなんでしょうかね?

こんな私の唯一の望みは
“人間と動物が仲良く暮らせる世界”
動物好きというよりも
“命好き”の優しい人たちが
笑顔で生きることができる世の中です。

写真は野村獣医科Vセンターの
地下一階にある温室です。
二十五トンの水量を誇る集中濾過システムや
強力な人工太陽光線灯が設置され、
熱帯の変温生物たちも
皆快適そうに暮らしています。
二十年以上飼い込んだアマゾンの大型魚も
いるんですよ。

それでは良いお年を!

野村潤一郎。

>ガラモンのガラダマさま

「ソロモンと奇妙な患者たち」
「ダーツよ鉄の城を見張れ」

この二冊の連続するエッセイ集は
私が強い“念”を注入して
執筆いたしました。

読み進めるうちに
文章に封じられたハイカロリーの
熱量が開放されるのを
感じることができるはずです。

“エネルギー保存の法則”が
文章にも存在するのです。

そのスーパーパワーは
思いやりの心が欠落した現代に
疲れ果てた皆様の心を
強く激しく、そして優しく、
時々こそばゆく?
効果的に揉み解します。

皆様に濃厚で楽しい動物生活を
送って頂きたいと切実に願う私の
猛烈な祈りの結晶であり、
自信作でもあります。

ガラモンのガラダマさま、
読後感想、誠に有難うございました。

写真は私の愛娘のイリスちゃんです。
新顔なので皆様にご披露するのは
これが初かもしれませんね。

皆様へのお返事の続きです。

皆様、お便りの返事が遅れまして
大変に申し訳ございませんでした。
毎日オペが多くてなかなかHPの更新や
ブログの返答ができないのでした。

ちなみに開業以来、
こなした手術の件数は約二万件(!)
を超えています。
以前は一日十二件くらい頑張ったりしましたが
今はせいぜい四件までです。
私も年をとって体力が落ちたのです。
でもそのかわり
知識と経験値は蓄積され続けていますから、
作業スピードは増しています。

おかげで利き腕の人差し指の
“手術ダコ”がちっとも治る気配がありません。
キレイでよく動く指が自慢だったのですがねえ…。

>サッチャーさま
生き物の存在がその飼育者の
生きがい&心の支えになっているという事実は
人間一人を生かしていることになります。
ウサちゃんたちは立派に
“お仕事”しているわけです。
人間も動物も同じように“命”と“身体”そして
“心”がありますが、
そのどれもが生命体が生きるために
不可欠な要素です。
これからもお互いに助け合って
幸せな思い出を沢山沢山つくってくださいね。

>小林秋ちゃんのお母様
解っていただけて嬉しいです。
犬は四本足の人間ですよね!
しつけは家風に合わせればよいです。
命に関わること以外なら
多少のヤンチャは大目にみてあげましょう。
その方が犬も人間も笑顔が多くなります。

>DAZさま
たしかに最近の人間たちは殺伐としていますね。
でも、私たちのような“動物好き”
もとい“命好き”は
そういう人種とは根本的に心の潤い度が違います。
だから、思いやりを欠く不愉快な人にこそ
優しく接して壁の向こうのヘンな世界から
救出してあげましょう。

>鵜飼まやみさま
私はいつも思います、
動物たちは流れ星のようだと。
彼らは飾り気のない優しい心で
キラキラ光り輝いて
私たちを照らしてくれます。
もっともっと見ていたいけど、
ずっとずっと一緒にいたいけど、
いつの間にか空の彼方に消えてしまう。
そのたびにひどい悲しみがやってくるものの
空を見上げるのをやめて下を向いたら
涙がこぼれてしまいます。
出会う流星たちを常に受け入れる心を持ち、
そんな運命に感謝しながら暮らすのは
実に素敵なことですね!

>ぜっきーさま
フェレットちゃんとの生活、
とってもとっても楽しかったでしょ?
彼らは何に対しても“前向き”なんですよね、
一緒にいると元気が出ますね。
“食べるため以外に
人間ではない生命体を愛する行為”は
大変に高貴な精神の上に成り立っています。
飼い主さんの人生を楽しく有意義にしたので
きっとナナちゃんは天国で、
動物の神様から表彰されました。

>幸さま
「猫伝染性鼻気管炎」の後遺症かな?
とも思いました。
外科手術で美容上の問題と機能障害を
緩和できることもあります。
この乾燥した世の中、幸さまのような
心優しい方に拾われて子猫も幸せですよ。
またのご報告をお待ちしますね。

>佐々木桃さま
この世で最も強い愛は
子を思う母親の愛と
飼い主を思う犬の愛です。
それらを凌駕する極上の愛を
飼い主と飼育生命体に向けられる
お医者になってくださいね。
そこから生まれる力と技術は無限大です。

>岸本千代子さま
ありがとうございます。
慢心の気持ちを持つことなく、
日々鍛錬、学問し、これからも精進し、
命の続く限り、
皆様の生きがいの伴侶を守る番犬として
戦い続ける所存です。

さて、今回の写真は
「ミツユビ・アンヒューマ」です。
この子も私の病院の地下温室の一員です。
水棲の両棲類です。
長い身体に小さな手足がついていて
それらをきちんと使って移動します。
全長は90センチメートルくらいです。
脊椎動物の中で最大級の赤血球を有している
生命体として有名ですね。
ちなみに歯が大変に鋭いので咬まれないように
世話をしなければなりません。

後方に配置した水槽に仲睦まじく泳いでいるのは
オセレイト・スネークヘッドのペアです。
彼らについてはまた後日紹介しますね。